カルシトニン製剤による薬物治療

○エルカトニン
  エルシトニン(旭化成)
ジェネリック品(アテビロック、エカテニン、エカトリスト、エカルトニン、エスカトニール、エリンダシン、エルカ、エルベスタール、エレキスト、オステトニン、オステラン、ポセビン、モリカトニン、ラスカルトン、ラスカルトン10ディスポ)
○サケカルシトニン
  カルシトラン(帝国臓器)
  サーモトニン(山之内-アベンティス)

ジェネリック品(サーカルニン、サーカルニンディスポ、サケカルトン、サケシトニン、サモカルトンディスポ、サーモストン、マリンカトニール、レトン)

 エルカトニンはウナギカルシトニンの誘導体(構造が少しだけ異なる)です。哺乳類由来のカルシトニンよりも作用が強く、持続性もあります。カルシトニンは破骨細胞(骨を削る細胞)上に存在するカルシトニン受容体に作用して、直接破骨細胞の機能を抑制します。

 カルシトニンは骨吸収機能(骨を削ること)を抑制することにより、血液中のカルシウム濃度を下げる作用があります。このことから骨粗鬆症以外にも、高カルシウム血症で使われます。また、カルシトニンの特徴として、痛みを取る作用があります。そのメカニズムはわかっていませんが、他の骨粗鬆症治療薬には無い作用です。蛋白製剤ですので、口から飲んでも体内に吸収されません。そのため、投与法は筋肉内注射になります。連続して投与すると、カルシトニン受容体のダウンレギュレーション(受容体が細胞表面上になくなる)が起きるため、効果が無くなります。このことをエスケープ現象といいます。

 臨床試験において、骨量を増加させる作用があり、骨折率も低下させます。また、自覚症状のない骨粗鬆症において、脊椎の痛みは患者のQOLを低下させるので、その痛みを和らげることが出来る本剤は非常に有用であると言えます。筋肉内注射しなければならないので、病院でしか投与できないことがこの薬のデメリットだと思いますが、現在、点鼻薬が開発されつつあります。これがうまくいけば、自宅での点鼻が可能になるのではないでしょうか。

 カルシトニンには顔面紅潮などの副作用がありますが、比較的安全な薬剤です。もともと生理的な状態でも生体内に存在するホルモンだからです。
しかし、蛋白製剤のため本剤過敏症の人には投与できません(ショック症状などが起こります)。また、ビスホスホネートとの併用も、カルシウム濃度が急激に下がるおそれがあるため、併用注意です。

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